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2009年02月 アーカイブ

2009年02月13日

重版出来たよ!

先日、新刊書が出来てきて取次に見本出しにいったら、窓口でえらく待たされたことがあった(11時にいったのに終わったのが12時過ぎ)。その窓口担当者と、私の前に来ていた何社かの版元さんとの交渉がそれぞれ物凄く長いのである。後で聞けば、すべて重版配本の部数交渉でしかも版元側が短冊をすてて減数してくるという。オバマ本である。何せ新刊発売前に何万部という重版が決まってしまい、それも減数配本だというのだから、とんとそんな話に縁のない当方は、「はあーっつ」と聞くばかり……。
柳の下にドジョウが何十匹もいるらしく、ジャンルとしての「オバマ棚」が出来ていて今もなお堅調らしい。そりゃあ、就任演説は私もついつい見て、おかげで体調崩したのは事実だけど、なんでそんなにいつまでも……。他に考えないといけないこともたくさんあるだろうに、などとひねくれものの私はまた思ったりしてしまう。とっとと、日常のやるべきことするべきことに戻りましょうや!

というわけで(何が?)、わが方も、この2月実は重版ラッシュなのであります(先ほどのオバマ本とは部数の桁が一桁二桁違うのですが、今や新刊書1点年に1000部売るのも大変な専門書版元としては、めでたいことであります)。以下、ご報告。未読の方は是非!

木村晴美さん『日本手話とろう文化』…4刷出来!小社の刊行図書で4刷は初の快挙。木村さんのこの本は続編も準備中です。そちらも乞うご期待。

吉川かおりさん『発達障害のある子どものきょうだいたち』…初刷刊行から3ヶ月で重版。図書館からの追加発注が切れずにずっときています。親・保育・教育関係の方々からのリクエストが多いのだと思われます。

寺本晃久さん、岡部耕典さん、末永弘さん、岩橋誠治さん『良い支援?』…こちらも初刷刊行から3ヶ月で重版です。読み手から読み手へ口コミできっちり広がっている感じで、個人団体を問わず客注多し!

新刊では、玉井真理子さん、平塚志保さん編による『捨てられるいのち、利用されるいのち』が書店店頭にならんだばかりです。中絶胎児の医療利用をめぐる生命倫理問題をとり上げた重いテーマの本ですが、何を問いの対象とするべきかがはっきりと見えてくる書き物が揃っています。ご一読を。

今月下旬にはもう2点、新刊が出る予定です。立命館大学生存学研究センター編『生存学VOL.1』と、岡本正子さん、二井仁美さん、森実さん編著『教員のための子ども虐待理解と対応』、こちらはまたあらためてご紹介いたします。

さあ、生き難い世を生き抜くための営為や知を形にすべく、仕事仕事!

2009年02月27日

雪の東都から西の街へ

月に2回ぐらいはブログを書こうと思うのだが、あまりに時間の余裕がないとネタを考えるのすらおぼつかない。今日は、朝、雪となった東京を出て、関西にやってきた。一つ仕事を終えて、次の待ち合わせまでわずかの時間、宿に荷物をぶちこんで、PCを開けた。夜には別のシコシコ仕事も待っており、ここで書かないと明日はもう28日、昼は研究会参加、夜は(たぶん間違いなく)呑みだろうからブログは書けない。必然、今書かないと今月は1本だけになってしまう。などど強迫観念に駆られて書くようなものではないことは承知しているが、なんとなく落ち着かないのである。

年が明けて出した新刊は、昨日手許に届いた『教員のための子ども虐待理解と対応』で3点なのだが(新刊をブログできちんと紹介できていない。次週には何とか)、このほかに重版3つ、さらに立命館大学のお仕事をいくつかと、とにかく忙しかったし、忙しい。それはとてもありがたいことであり、出版でなんとか食っていくために色んな人が力を貸してくださることに感謝している。
一方、お約束していてずるずる刊行が延びているものも、かなりあります。本当にお詫びするしかない。必ずやります。皆様、もう少しお待ちを!

最近、人と人が関係性をもつ、繋がるというのは、容易ならざることだなとあらためて思う。いつでもそこから逃げ出せる人が、自分がとても真摯に物事と向き合っている良い人だということの確認や自己満足のために、逃げ出せない、逃げ出すわけにはいかない人と時々向きあう。そうとは思っていなくても、結果的にはそうなっているし、明日もまたそうする。これは自戒なのである。生き難い生を生きる人に寄り添う出版をといっても、その本を作るとき、その原稿を読むとき、その人と酒を呑むときなどなどの他は、いつだって逃げ出させるし、逃げ出している、要は自分の利害、自分の気持ちよさのためなのだ、そのことを私は自覚せねばならない。ある人のお話を東京は某所でうかがったのがきっかけだが、その人はそのまま私なのだ。そしてその上でなお私の仕事は出版だということだ。のほほんともしていられないのだ。

で、関西である。今日打ち合わせをし、おそらく秋には形になるであろうその本の書き手の方にも、心底真面目に考え、こうすればこの企画はもっと良くなるというお話をしたつもりなのだが、終えて、やはり心配なのである。なにか習い性のような語りっぷりになっていなかったか、プロ面のしたり顔はしていなかったか…。見た目に似合わず心配性の私は、今日もこうして人と会い話をしている。そして、どこかで、自信満々の出版人編集者といった人たちよりは、すぐにくよくよする自分のほうがまだましだと思っていたりするのだ。

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