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【2009年10月刊行】中国帰国者の子どもたちがどのような学校生活を送っているのかを、2年弱にわたるフィールドワークをもとに描いた学校エスノグラフィー。

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高橋朋子【著】
中国帰国者三世四世の学校エスノグラフィー
──母語教育から継承語教育へ



A5判上製 344頁 3675円 ISBN978-4-903690-43-8
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「日本語ができるのに勉強がまったくできない? それはいったいどういうこと?」
ダブルリミテッド(両言語ともに生活年齢相当に発達していない状態)に陥って苦しんでいる子ども、家庭に居場所がない子ども、日本語しかできないが自分の思いをきちんと文字にのせて表現できる子ども、中国語に自分の誇りを見つけている子ども…考え、悩み、怒り、悲しみ、傷ついたり喜んだりしながら、生きていく様々なストラテジーを身につけていく三世四世たちの姿を追う。



【目次】


まえがき
第・部 小学校を生きる中国帰国児童たち

序章 ニューカマーとしての中国帰国者
 1.ニューカマーとは誰か
 2.中国帰国者とは誰か
  (1)歴史的背景
  (2)帰国後の生活
 3.中国帰国児童の変遷−学齢途中編入から日本生まれへ

第1章 見えない「子どもたちの周辺化」
 1.フィールドとなった小学校
  (1)小学校の背景
  (2)フィールドワーカーとしての私の立場
  (3)観察
  (4)帰国児童たち
 2.子どもたちの言語能力
 3.在籍学級での子どもたち
  (1)「見えない」子どもたち
  (2)わからない授業をやり過ごす手立て
 4.個人化される学力不振
 5.担任教師の関わり
  (1)積極的な関わりを求めて−国際授業の実践
  (2)学校で求められる国際理解教育
 6.友達との相互作用
 7.アイデンティティの変容
  (1)「中国人」としての自分
  (2)「中国にルーツを持つ」自分
  (3)「日本人」としての自分

第2章 日本語教室での子どもたち
 1.日本語教室の概要
  (1)校内での位置どり
  (2)日本語教室の運営:時間割
 2.日本語教室の授業実践
  (1)日本生まれ児童
  (2)幼少期に来日した児童
 3.日本語教室の役割と意義
  (1)日本語教室の役割
  (2)日本語教室の意義
 4.日本語教室の周辺化

第3章 中国語教室での子どもたち
 1.中国語教室の概要
 2.中国語教室の授業実践
  (1)編入児童に対する母語保持教育
  (2)日本生まれ児童への中国語教室
 3.中国語教室の意義−継承語教育へ
  (1)継承語とは
  (2)継承語教育の変遷
  (3)継承語教育の課題と展望

第4章 子どもたちの学力
 1.学力不振という問題
 2.卒業後の限られた進路選択

第5章 親子の希薄なコミュニケーション
 1.親の資源と文化資本
  (1)親の資源の活用
  (2)文化資本の継承
 2.親子関係の亀裂
  (1)希薄なコミュニケーション
  (2)学校生活と教育に対する親の達成度と関心の度合い
 3.親と学校の間に存在する壁
 4.夫婦関係、家庭不和が子どもにもたらす影響

第6章 ニューカマーの子どもたちを支える視点
 1.子どもたちをめぐる教育の問題点と支援
  (1)支援の転換期を迎えて
  (2)日本生まれ児童に望まれる根源的な支援とは
 2.今後の課題

第・部

第7章 ニューカマーの子どもたちの研究への視座
 1.先行研究
  (1)適応の問題
  (2)言語の問題
  (3)家庭環境と教育戦略
  (4)文化資本とロールモデル
 2.研究手法と理論的背景
 3.主要概念
  (1)バイリンガル
  (2)ダブルリミテッド/セミリンガル
  (3)BICSとCALP
 4.エスノグラフィー
  (1)フィールドノーツ
  (2)カテゴリー化
  (3)観察者の役割の取り方

第8章 子どもたちの言語能力を考える
 1.子どもたちの母語
  (1)母語の定義
  (2)2つ以上の言語に接触する子どもたちの母語に関する研究
 2.2言語の使用状況
  (1)ドメイン
  (2)対話者
  (3)トピック
  (4)子どもたちの言語に対する意識
 3.言語能力テストの結果から見えてくるもの
  (1)語彙力テスト
  (2)日本語能力基礎レベル評価テスト
 4.BICSとCALPを捉えなおす必要性

あとがき
参考文献