【目次】
序章
1 問題意識―忘れられない経験を出発点に
2 本書の目的と意義
(1)実証研究を行うことの意義、(2)「障害」とともに「健常」を議論することの意義
3 考察の対象
4 全体の見取り図
第1章 1970年代青い芝の会運動と関西における健全者運動の軌跡
1 資料分析の方法
(1)分析の対象とした素材とその収集方法、(2)資料の質の評価、 (3)分析の方法
2 青い芝の会の運動―青い芝の会神奈川県連合会を中心に
(1)青い芝の会の成立、(2)脳性マヒ者としての自覚、(3)「健全者幻想」との闘い、
(4)健常者との関係性について
3 関西における健全者運動の展開―第一期:1977年10月まで
(1)運動初期の体制、(2)健全者運動の活動内容、(3)「新たなる健全者」を目指す
4 関西における健全者運動の展開―第二期:1977年10月から1979年まで
(1)健全者運動の混迷、そして解体へ、(2)介助関係をめぐる諸問題/小括
第2章 障害者運動から健常者が得たもの―発見・迷い・変革への希求
1 調査の概要
(1)質的調査という方法、(2)調査の実施法と分析の手順、(3)調査協力者の概要
2 運動を通して得た「発見」
(1)運動との出会い、(2)生の現実にふれる―在宅訪問での印象、(3)運動を通しての自己の問い直し、(4)障害者と健常者の関係性をどう捉えるか、(5)踏み込む自由/踏み込まれる自由
3 運動への「迷い」
(1)「緊急あぴいる」をめぐる解釈、(2)介助をやめることと障害者差別を肯定すること、(3)主体性をめぐる問題、(4)健全者手足論の是非
4 変革への希求
5 小括
第3章 障害者の生活保障に向けた取り組み―1980年代の障害者運動から
1 障害者運動の再編から生活問題の発見へ―1980年代前半まで
(1)「層としての運動」への志向、(2)障害者の生活問題の確認へ―生活要求一斉調査の実施、
(3)地域拠点の誕生
2 アメリカ自立生活運動の影響
(1)アメリカでの自立生活運動の始まり、(2)医学モデルから自立生活モデルへの転換、(3)日本の障害者運動と自立生活理念
3 自立生活を支えるためのトータルな生活支援に向けて―1980年代後半以降
(1)障害者の自立生活に向けた情報収集活動、(2)身体障害者更生援護施設の費用徴収反対運動を通して、(3)居住の場の確保に向けて、(4)公的介助保障に向けた取り組み
4 小括
終章
1 健常者としての自己の問い直しはいかにして行われたか
(1)前提として、(2)自己の問い直しの契機、(3)自己の問い直しと、そこから導かれる関係のありよう
2 1970年代運動から発展的に継承された課題
3 これから考えていくべきこと
あとがき
参考文献一覧
資料 1 自立障害者集団友人組織関西グループゴリラ連合会 規約
2 自立障害者集団友人組織関西グループゴリラ連合会 紹介パンフレット
3 緊急あぴいる
4 緊急アピール
5 薔薇の花計画