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「健康」とは? 「重い病」とは? 生まれ来る命の幸せを 考え続ける

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山中美智子、玉井真理子、坂井律子 編著
出生前診断  受ける受けない誰が決めるの?
 遺伝相談の歴史に学ぶ



A5判並製  248頁   本体2200円(税別)   ISBN978-4-86500-074-0
  (書影拡大
出生前診断を議論するとき金科玉条のように語られる「遺伝カウンセリングの充実」。
しかし、その内容はきちんと検証されてきただろうか?
検査のための手続きになってはいないだろうか?
長年にわたり遺伝カウンセリングを実践し、そのあり方を模索してきた先人たちに学び、
技術ばかりが進展する出生前診断とどう向き合うかを、立ち止まって考える。
 

【目次】

はじめに  山中美智子

第1部  出生前診断──いま考えなくてはいけないこと

 第1章  日本の遺伝カウンセリングの歴史と出生前検査   山中美智子
      1  日本の遺伝相談・遺伝カウンセリングの歴史
           (1)「遺伝相談ネットワーク委員会」から「日本臨床遺伝学会」へ
            (2)「日本遺伝カウンセリング学会」の発足
            (3)日本遺伝カウンセリング学会の変遷
            (4)遺伝カウンセリングに関わる医療職の教育
            (5)臨床遺伝専門医制度・認定遺伝カウンセラー制度の誕生
     2  出生前検査の方法
            (1)出生前検査とは
            (2)出生前検査の方法
     3  出生前検査に関する遺伝カウンセリング
     4  勉強会の開催
     5  今歴史を振り返る意味

 第2章  出生前診断について考えたいこと  玉井真理子
     1  わが子の健康を素朴に願う気持ち
     2  ホンネでは出生前診断を受けたがっている?
     3  「健康な子がほしい」と「健康でない子はほしくない」の間
     4  「失敗」は一度でいい? 一度でもしたくない?
     5  障害は「ないにこしたことはない」ものか?
     6  拡大再生産される「安心」
     7  出生前診断は障害者だけを傷つけるのか
     8  三大神話

    [コラム1]  「子どもの健康を願うこと」と「出生前診断を受けること」の間   坂井律子

 第3章  パトリック・ルブラン医師講演「フランスの出生前診断──現状・展望・争点」について  玉井真理子

     [コラム2]  ペリュシュ判決とその影響  本田まり

第2部  遺伝相談の歴史に学ぶ

 第4章  自分たち自身で決めるのに必要なことは?──「自己決定」の落とし穴   佐藤孝道
     1  出生前検査、受ける受けないを決めるのはカップル(=自分たち自身、あるいは妊婦本人)
     2  カップルが、自己決定に当たって受ける制約は、合法的か否かだけ
     3  「胎児条項」は、優生保護法への回帰で、許されるべきではない
     4  出生前検査を受ける受けないを学会や社会、国家が決めるべきではない
     5  「安易な」検査や中絶はないが、社会や組織によって簡単に自己決定が「誘導」された例は最近もある
     6  日本には出生前検査の「自己決定」が企業に大きく誘導された歴史がある
     7  出生前検査についての「自己決定」は何故難しいのでしょうか、何故容易に歪められるのでしょうか
     8  カップルの「自己決定」を実現するためには何が必要でしょうか?

   [コラム3] 出生前診断はなぜ始まったのか  吉岡 章

 第5章  重症心身障害児者施設から──デジタルのかなたに思いを馳せて  月野隆一
     1  はじめに
     2  デジタルのかなたに思いを馳せて
     3  ダウン症候群とは
            (1)養育、教育、就労概観
            (2)疾患
            (3)行動特性
            (4)行動異常
            (5)スポーツ
            (6)趣味
            (7)特殊技能
            (8)様々な支援
     4  何故ダウン症候群が出生前診断(NIPT)の標的となるのか?ち
             (1)社会的背景
             (2)医学的背景
     5  遺伝カウンセリングについて
             (1)検査前遺伝カウンセリングについて
             (2)検査後の遺伝カウンセリング
     6  NIPTの今後
     7  出生前診断、NIPTは人を幸せにするか?
     8  産む産まない誰が決める
     9  おわりに

  [コラム4] まず私が“感じるもの”   藤田 潤

 第6章  親になること  富和清隆
     1  はじめに
     2  遺伝相談に学ぶ
     3  出生前診断以前のこと
     4  親になること、親として在ること
     5  親子レスパイトから学んだこと
     6  出生前診断 受ける受けない誰が決めるの?

  [コラム5] ダウン症候群の赤ちゃんが生まれたときに小児科医が話すこと  小野正恵
  [コラム6] 「よく考えてください」と伝えられない──NIPTをきっかけとした気持ちの変化  青木美紀子

 鼎談  出生前診断 受ける受けない誰が決めるの?  山中美智子×玉井真理子×坂井律子
     「海外は進んでいる」は本当か?──二〇年前のイギリス
     フランスから「学ぶ」こと
     「重篤」と社会の都合
     連続勉強会を通して学んだこと

おわりに  玉井真理子