banner
border
新刊案内
NEW!
近刊案内
NEW!
既刊案内
ご購入案内
生活書院とは
お問い合わせ
生活書院ブログ
随時更新
サイト中に表示されている書籍の
価格はすべて定価(税込)です。
 
 
 
色覚少数者の名状しがたい生きづらさは何に起因するのか!

cover006
徳川直人【著】
色覚差別と語りづらさの社会学
エピファニーと声と耳



A5判並製   320頁   本体3500円(税別)   ISBN978-4-86500-048-1
書影拡大
色覚の特性を指摘されることによって疑念にさらされ、発言権を剥奪されてきた色覚少数者。その息苦しさは「当時者本位」の「優しい社会」が」喧伝される現代社会において、別の形、見えにくい形に変化してむしろ強まっている。色覚少数当事者としての自らの経験も踏まえ、「社会現象としての色覚差別」の在処を相互行為論の見地から考察する渾身の書。
 

【目次】

はしがき:声と耳に関する断章
 
序章  理論ノーツ:相互行為論と障害学
     0-1 シンボリック相互行為論
            あとづけのノーツ/健全な忘却/ルート=イメージ 他
     0-2 障害学
          取り違え問題/インペアメントとディスアビリティ/実践的な問い 他

第1章  他者化と自己疎外
     1-1 いま、いかなる問題か
          「いま」/「いかなる」/制度的位相と非制度的位相
     1-2 「優しい社会」の落とし穴
          読み書きのワーク/「色弱の人にも優しい」 他
     1-3 警報の色
          テレビの大津波警報/だめ押しの原理/海水浴場 他
     1-4 他者化と自己疎外
          問題のありか/他者の「他者化」/疎外
 
第2章  「パイプのけむり」の三つのエッセイ
     2-1 対象と方法
     2-2 自己とコミュニケーション
          原体験あるいはエピファニー/リアリティ分離/人間の部類分け 他
     2-3 表象=代弁の病理
          批判の批判の批判/発端/差別語・差別表現と「色盲」 他
     2-4 「ある」ことと「つくられた」こと
          位相の区別と関連/地平/本質論の地平 他
     2-5 「いる」ことと「なる」こと
          返礼へのカミングアウト/やりすごしと怒りの語り/無力の実践

第3章  色盲検査表を読む:色弱者はいかにして信頼を奪われたか
     3-1 残された謎
          なぜ日本で?/検査表の謎/作業課題 他
     3-2 「ある鉄道運転手」と「緑の犬」
          厄災のレトリック/「ある鉄道運転手」:二重の過誤 他
     3-3 予言の自己成就
          なぞ解き/予言の自己成就/「公益上の問題」 他

第4章  善意の思想像
     4-1 さらなる謎
     4-2 科学の外側:「不適当であるべき」
          科学外的判断/際限のない疑念/実践的な問い 他
     4-3 適性の論理:「本人の為」
          「生存競争」/社会進化論の類型/社会思想と日常意識 他

終章  応答性:声と耳と自己と
     5-1 語りづらさ
          コミュニケーション・ハザードマップ/画餅デザイン 他
     5-2 「理論」と「物語」
            刺激と応答=責任/「理論」をつくる:単定立構造 他
     5-3 聞く耳を持つ社会
          公衆と表現/隣人の声/言葉を得る

あとがき
文献
事項索引
人名索引