特集1 生存学、リスタート
はじめに 立岩真也 五年と十年の間で
1 アーサー・W・フランク 生の技法としての「自分を持ちこたえること」──同伴者としての物語とナラティヴ分析についての省察」(訳:有馬斉)
2 上野千鶴子 ケアの社会学──当事者主権の福祉社会へ
3 栗原彬 3.11論──人間の復興のために(聞き手:天田城介)
4 林達雄 アフリカから日本へ──対等感の生まれる機会に(聞き手:新山智基)
特集2 生存のマイナーテクノロジー
1 ジェイムズ・パウダリー アイライター──これで、麻痺した人も、あなたの街で落書きできる(聞き手:松原洋子・加藤有希子、訳:加藤有希子)
2 松原洋子 パウダリーインタビュー解題
3 堀田義太郎 重度障害者用意思伝達装置の開発・供給と政策について
論文
■テクノロジー/アート
1 福田一史 ビデオゲーム産業におけるイノベーションと企業家の役割──ベネッセコーポレーションのデジタル教材事業を事例として
2 加藤有希子 芸術は生存に関われるか──エネルギー論からみるアート
■ままならない心身
1 後藤玲子 統合失調症をもつ人の<家族世界>
2 小西真理子 共依存と病理性──アルコホリックの妻を追う
3 田中壮泰 グレーゴルと女性たち──介護文学としての『変身』
4 秋吉大輔 寺山修司にみる「吃る」ということ
■医療/配給
松田亮三 「終末期医療」の「配給」をめぐる議論に向けて──日英の対比から
■感情/社会
崎山治男 社会と感情が交錯する地点に向けて──〈生存〉との対話を通して
■正義/承認
ポール・デュムシェル 平等と承認(訳:金城美幸)
■震災/情報
小林宗之 大地震と号外──地震発生第一報の変遷
国際研究調査報告
堀智久 日韓障害学国際研究プログラムを振り返って
長谷川唯 スイッチ研の韓国訪問
吉田幸恵 日本と韓国のあいだで──イクサン・ソロクト訪問と第2回障害学国際研究セミナー開催報告
大野真由子 躍動する韓国──CRPS(複合性局所疼痛症候群)訴訟に情熱を注ぐ弁護士へのインタビュー
渡辺克典 障害者をめぐる日韓組織連携への取り組み
片岡稔 プロジェクト・マネジメント
有馬斉 アーサー・W・フランク先生と京都でご一緒して学んだこと幾つか
大野真由子 “ナラティブ”をテーマとしたシンポジウムについての語り──国際シンポジウム「病の経験と語り:分析手法としてのナラティブアプローチの可能性」の参加記録
篠木涼 心理学史再読、映画による心理テスト、可視化──ボストン公共図書館とヒューゴー・ミュンスターバーグ・コレクション調査報告
川端美季 2011年夏、ベルリンで──IALMH報告・ドレスデン衛生博物館・ベルリンPublic Bath探訪
箱田徹 ビッグ・ソサエティへの異議申立とフーコーの応用的な読解──ケンブリッジでのカンファレンス報告
中倉智徳 現実を創り出していくために──M.ラッツァラート氏を招いて
新山智基 ガーナ共和国の社会調査および医療関連調査報告
磯邉厚子 緑に映える白い点模様──今とこれから
表紙の写真:渡邉あい子