★日中活動、働き場さがし、住まい、ヘルパー、恋愛、結婚……知的障害者が地域での自立生活、「生きる」ことを繋ぎ、回していくために必要なこと。

ピープルファースト東久留米【著】
増補改訂・知的障害者が入所施設ではなく地域で暮らすための本
知的障害者が入所施設ではなく地域で生きていくための本──当事者と支援者が共に考えるために

---

A5判並製　144頁　定価1575円（税込）　ISBN 978-4-903690-55-1 （書影拡大）

当事者と支援者がともに考え使うマニュアルとして好評を得た旧版を、仲間の死という厳しい現実に直面する中、支援の失敗とこれからの方向性を真摯に綴った新章をはじめ、制度面での変更など大幅な修正を加えた全面改訂版。

この本は、2007年6月に発行された『知的障害者が入所施設ではなく地域で暮らすための本』を増補改訂したものです。 2009年、私たちの仲間でこの本にものっている2名の女性の方が、若くして亡くなられました。今現在、まだ私たちの支援の失敗について、明確な整理をすることができていません。この本の出版を見送ることも考えましたが、これから自立生活をしようとしている方は後を絶たず、また、現在自立生活をしている仲間に対しても同じ失敗をくりかえさないためにも、制度の変更とあわせて、現段階で出きる限りの改訂を行ないました。 読んで下さった方からのご意見をいただければ幸いです。
　

【目次】

第1章　入所施設を出て地域で生活するためのマニュアル当事者版
　　　　　　自立生活をするまで
　　　　　　相談する
　　　　　　地域で支援してくれる団体をさがす
　　　　　　施設や家族、行政など関係者と話し合いをする
　　　　　　宿泊体験をする・自立生活体験プログラムを受ける
　　　　　　生活費
　　　　　　部屋を探す
　　　　　　ホームヘルパー・ガイドヘルパー
　　　　　　日中活動するところ・働くところを探す
　　　　　　ケアホーム、グループホーム
　　　　　　健康管理
　　　　　　家族とのこと、恋愛・結婚について

第2章　自立生活をしている仲間の生活
　　　　　　ピープルファースト東久留米の活動について
　　　　　　仲間からのメッセージ
　　　　　　子育ての話
　　　　　　働いている仲間が必要としていること

第3章　　施設や親元から自立するまでの経過
　　　　　　入所施設を出て出身地のグループホームへ（Ａさん）
　　　　　　実家からグループホームへ移り、１人暮らしをするまでの経過（Ｂさん）

第4章　入所施設から出て地域で生活するためのマニュアル支援者版
　　　　　　施設から出るまでの支援
　　　　　　施設や家族、福祉事務所（市役所）との話し合い
　　　　　　生活費とお金の管理について
　　　　　　部屋探し
　　　　　　ホームヘルプサービス
　　　　　　生活保護の申請について
　　　　　　ケアホーム、グループホーム
　　　　　　日中活動について
　　　　　　健康管理
　　　　　　日常の支援体制について
　　　　　　家族との関係、恋愛・結婚について
　　　　　　「見守り」介護の必要性について

第5章　支援の失敗とこれから
　　　　　　失敗の原因
　　　　　　1つの団体が抱え込むことの問題
　　　　　　パターナリズムの問題
　　　　　　男性と女性の違い
　　　　　　精神科医療とのコミュニケーションを深めること
　　　　　　1対１での介護の限界
　　　　　　「支援」というものの本質的な限界を見極めていくこと
　　　　　　普通の関わりができなくなっていったこと
　　　　　　家族関係や、恋愛・結婚という問題
　　　　　　妄想や幻想でも生きていける
　　　　　　10年単位の長い目で見た関わり方をする
　　　　　　支援のこれからのために